みなさん、こんにちは!
ストアカ地域コーディネーター東海担当の庭野です。
少しづつ紅葉もはじまり、学びの秋、芸術の秋がやってきましたね。
今回ご紹介する東海エリアの先生は、絵画・デッサンカテゴリーの伏屋美希先生です。
伏屋先生は、地元岐阜市に拠点をおき、東京や海外でも活躍されている現役の画家さんです。
先生の絵画ファンからすると、作者に直接習うことができてしまう感激の絵画レッスンを、現在オンラインで開催されています。
「人にとても興味があり、その人の背景を含めて描きたい」と話す、伏屋先生。
“ポジティブ″という言葉がぴったりな伏屋先生と共に過ごすレッスン時間は、楽しい!というレビューがたくさん!!
弾ける笑顔が印象的な伏屋先生に、画家を目指すきっかけ、なぜ教える活動をはじめたのか、教えることで出会えたこと、など、たくさんのお話を伺いました。(取材日:2020年10月)
人に惹かれて画家の道へ
Q1.現在どのような活動をされているのですか?
職業は画家です。
美大を卒業してから16年間、デザイン事務所での会社員生活と絵画アーティストの個人活動を並行して行っていました。
2018年、1ヶ月に渡る個展のために海外渡航が必要になったことをきっかけに、デザイン事務所は退職し、アーティスト活動のみで生活をしています。
現在の主な活動は、個展やライブペイント、CDや書籍へ絵を提供したり、依頼を受けて個人の肖像画を描くことなどですね。あとはレンタルアート事業として、会社やお店に絵を展示する事業も立ち上げています。
<オランダ アムステルダム Benji’s にてライブペイント&展示>
https://benjis.amsterdam/ 2019年撮影
・絵がずっと得意だったのですか?
画家になるきっかけがあったのは、小学校の高学年の時です。
それまでは絵を描くことは人並みに好きだったくらいなのですが、その時が”得意’’を見つけてもらった瞬間でしたね。
ーその想い出を伏屋先生はこの様に綴られています
小学校の頃、図工での外の景色の写生の授業で、
みんなは、屋根全体を灰色などの一色で塗っている中、
私は家の屋根瓦を一枚づつ微妙に色を変えて塗っていました。
時間内に絵は仕上がらなかったにも関わらず、
「屋根瓦を一枚づつ塗るなんて思いつかなかったわ〜♪」
と先生が褒めてくれたのが、絵をはじめるきっかけに。
絵が苦手だなと思われている方も、もしかしたら自分の個性を認めてくれる誰かがいなかっただけかも。
1色だと思い込んでいたものの中にも、様々な色たちが混ざり込んでいます。
美しいものを感じることで、普段活用されていない脳の機能が活性化されます。
一緒に世界をカラフルに描いてみませんか?
ー教室ページより引用ー
その時の絵は金賞ではなかったのですが、特別賞みたいな形で学校に掲示されました。それを見て、他の先生や友達からも「絵うまいね」「いい絵だね」なんて声をかけられて、とても嬉しかったのを覚えています。
その時が、ちょっと好き、から、すごく好きに変わった瞬間ですね。
学生時代は普通科で中学は運動部、高校は美術部に所属していました。
美大に入ろうと決めたのは、近所の絵画教室での出逢いです。
入ってから分かったのですが、その絵画教室は美大受験をする人がメインで通う塾でした。
私は美大の受験勉強のために入ったのでないのですが、美大受験を目指す生徒たちがとても個性豊かな人たちばかりで。それに、高校の友人とはまた違う感覚で、本質的に会話ができる空気感であったりとか、感性の近さとか、そこの人たちといるのはとても居心地がよかったですね。
その塾の先生も美大の出身で、大学時代のことも色々と話してくれました。
「美大に入ったら面白そうな人にたくさん会えそうだな!」と思い、名古屋芸術大学に進学しました。
絵はもちろん好きなのですが、美大に通う人たちに興味を惹かれたのが一番の理由ですね。
画家になった現在も変わらないことなのですが、私は‘人’に興味があるんです。
その人の考え方の背景であったりとか、ルーツなどを聞くのがとても好きですし、それが作品作りにも活かされていると感じています。
Q2、教える活動をはじめたきっかけを教えてください
最初に教えたのは2019年秋頃です。
色々なお店が入っているビルに壁画の依頼を頂いて絵を描く機会がありました。
ビルのオーナーさんは20年くらい前からの知り合いで、私の絵のことを知ってくれていて、壁画の依頼をしてくださいました。
きっかけはそのオーナーさんです。
絵についての打ち合わせをする中で
「僕も絵を描いてみたいな。描き方って教えてもらえたりする?」とおっしゃったのがきっかけです。
「じゃあ、やってみましょう!」という展開になり、人生で初めて人に絵を教えました。
ただ、作品作りは感性でしているので、ロジックがあるわけではなくて。
どうやって描くのかを、生徒さんがくれる質問に都度答えているうちに、段々と今の教え方が出来上がってきた感じですね。
まさに生徒さんと一緒に作りあげたレッスンですよ。
そこからは、そのオーナーさんのご友人も『習ってみたい』と参加され、またその友人、SNSを見て、といった風に輪が広がっていき、4名くらいが一度に集まるクラスになっていました。
みんなで集まって一緒に描くのは、すごく楽しい時間でしたね。
オンラインで始まる、あらたな繋がり
Q.3ストアカを使い始めたきっかけを教えてください
オンラインに注目したのは2020年春、コロナがきっかけです。
コロナの影響で8月に予定していたオランダでの展示は中止し、岐阜で対面レッスンも出来ず、絵を通して人と出逢う機会が無くなってしまいました。
だからといって落ち込んだりはせずに
『世の中が変わる!何かしなければ!』
『もしかしてこれはチャンスなのかもしれない!』と。
4月くらいを振り返ると、けっこう燃えていましたね(笑)
まずはオンラインで個展を開くことを始めました。
ストアカを知ったのは2020年4月です。
「オンラインレッスンが掲載できるプラットフォームがあるからやってみたら!」と、最初に絵を教えて欲しいと言ってくれたオーナーさんが、ストアカを見つけて情報を持ってきてくれました。
教えることが第二の収入源になることにも興味がありましたが、プラットフォームに掲載することで、教える活動を通じて私の絵を知ってもらうきっかけになると思い、ストアカに講座を掲載しました。
Q.4教えはじめてみて、どのような生徒さんがいらっしゃいますか?
オンラインレッスンも初めてだったのでまず始めは、海外に住む友人や知人に自分で声をかけてレッスンをしました。渡航が難しくなっていたので、オンラインで繋がりが持てて嬉しかったですね。
オンラインレッスンにも慣れてきたところで、フェイスブックなどのSNSでレッスン情報を発信しました。
アーティスト活動を発信するアカウントを持っているので、作品に興味がある方を中心にフォローしてもらっています。それを見て、個展で出逢った海外在住の方、作品のファンの方がレッスンに参加されるようになりました。
ー作者から直接習うことができるなんて、確かに贅沢ですね!
そうですね。面識がない方も多かったのですが、ストアカを始めた頃は自己集客がメインでした。絵を知っていて『描いてみたい』と思ってくださったんだと思います。
徐々にストアカから新規の方が入って来られるようになりました。
オンラインに入って来られると、レッスンによってはイギリス・スイスからの参加もあるので、初めての生徒さんはびっくりされながらも、異文化コミュニケーションまで出来た!と喜んでらっしゃいましたね。
ーストアカからの生徒さんはどのような方ですか?
コロナ前から絵画を対面で習っていた方や、絵が苦手な方、趣味を見つけたい方など、理由はそれぞれですが全国からご参加頂いてます。
層としては、特に子育て中のママさんや、子供さんの参加が多くて驚きました。
なぜかというと、
私は作品作りも籠もってする方ではなく、ライブペイントだったりとか、人と触れ合いながらするのが好きなんですね。
個展や対面レッスンも同じですが、絵を通じてたくさんの方をお会いする機会が多いです。
でも、いまストアカからの参加で一番多い、小さなお子さんや、子育て中のママさんと出会うことはなかったんです。
生徒さんに聞くと、
外出して絵を観賞したり習うことにハードルが高いから、自宅で出来て嬉しいと言われています。
今までのアーティスト活動では出逢うことがなかった方と、一緒に描けるのがオンラインレッスンの魅力だと感じる一方で
オンラインをしないことは、この人たちの出来る機会を奪うことだったんだな、という気付きも同時にありました。
絵を通じてコミュニケーションを
Q.5講座の運営で工夫されていることはありますか?
手間をかけるところを分別することでしょうか。
誰がしても同じことには、極力手間と時間をかけないようにしています。
私の講座の場合ですと、道具の事前準備がそれに当たります。
対面レッスンの時は絵具や筆も私のものを貸していたのですが、オンラインレッスンの場合はそうもいないですよね。
発送の手間を省くために、講座で使う道具は生徒さんご自身で用意してもらうことにしました。全国どこでも購入可能なものを探した結果、百円ショップに辿りつきました。
生徒さんが迷わないように【準備編動画】を作成して、講座ページに掲載しています。
動画も自分で初めて作成したのですが、作るのも楽しかったですね。
動画のおかげか、百均のおかげか、準備が出来なかった生徒さんは今のところゼロ人です。
それとは逆に、私にしか出来ないことに手間も時間もかけるようにしています。
ー具体的には?
頂いたレビューのコメント返信には、力を注いでいますね。
せっかく時間を共にしたのですから、絵の完成だけではなくて
その人の印象に残る言葉を贈りたいな、と、実はけっこう考えて記入しています。
レッスン風景や生徒さんの絵をブログに投稿して、記事に残しています。
https://mikifuseya.art/blog/painting-class
文章を書いたり、情報を発信することに時間を使っていますね。
Q.6教える活動の喜び、やりがいを教えてください
私は、絵を通してコミュニケーションを楽しんでいるんだと思います。
初めてオランダで個展をした時のことです。
全く初めての土地で初めての人たちだったけれど、
絵を飾り、共に見ることでコミュニケーションが生まれました。
言葉が通じなくても、文化が違っても、絵がつなげてくれました。
教える活動も同じで、絵というツールを使って、たくさんの人たちと出会わせてくれます。
絵を苦手だという人が「楽しかった!」と言ってくれる。
毎日忙しく過ごしている人が「癒されました」と言ってくれる。
子供さんの瞳がキラリと輝く瞬間に立ち会えたり。
オンラインレッスンは、今までとは違うシュチュエーションで絵に触れてもらえていると感じています。
色々な人が描いた絵に出逢えて、私自身も刺激をもらえています。
絵に上手い下手はないと思っていて、楽しむものだと思っています。
どんな絵が出来上がるのか、方法は示していきますが、出来上がりはみんな違います。
それがとても楽しいんですよ。
いま個人的に興味があるのは、バリバリのビジネスマンが描いた絵ですかね。
今のところレッスンに参加がない層なので、どなたか、ぜひ一緒に描きましょう!
ー今後やりたいことはありますか?
今はコロナ禍で少し厳しいですが、
世界中の素敵な場所で絵を描きアートを展示したり、教えたりしながら、そこに住む人々やお店の方々との交流を持ち異文化に触れることで、
既存の価値観に疑問を持ち、楽しく生きるということはどういうことかの一例をシェアしていきたいと思っています。
また、フェアトレードデイ垂井や、稲作フェスティバルなど、関わっているイベントを通じて、具体的に暮らしやすく持続可能な社会とはどういうものかを、創造していきたいです。
伏屋先生、素敵なお話をありがとうございました!
今後のさらなるご活躍を楽しみにしています!
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